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技術士試験(情報工学部門)・情報技術者試験。ファーストマクロ。


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令和4年度 技術士第一次試験問題【専門科目】

V−35

無線LANの通信に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

@ IEEE 802.11ac は帯域幅を80MHzに拡大することによる高速化を目的としており、2.4GHz帯を用いた通信も可能である。

A MIMOは、ビームフォーミングのために複数のアンテナを用い、通信感度を向上させるための技術である。

B 無線LANの通信は、DFSやTPCがあるため、屋外でもすべての周波数帯が制約なく使用できる。

C IEEE 802.11axは、OFDMAによって通信を行う端末に専用のサブチャンネルを割り当てることで、同時に複数端末の通信に対応する。

D OFDMは複数のサブキャリアの合成波であり、サブキャリアの変調方式はQAMと決められている。


正解

C


解説

@ IEEE 802.11ac は、帯域幅が80MHz、160MHzに拡大された。また周波数帯域は5GHz帯を用い、433Mbps 〜 6.93Gbpsで通信できる仕様である。

A MIMO (Multiple Input Multiple Output) は、送信側と受信側がそれぞれ複数のアンテナを利用して、同じ周波数で異なる複数の信号を送受信できるようにする技術であり、無線通信を高速化する技術である。
ビームフォーミングは、無線機器が発信する電波をデバイスに届きやすくする技術である。

B 無線LANの通信は周波数帯が決められている。
DFS (Dynamic Frequency Selection) は、気象や航空、軍事などのレーダ信号を検出した時、干渉しないようにチャネルを動的に変更する機能である。
TPC (Transmit Power Control) は、アクセスポイントが周辺のアクセスポイントとの同一チャンネルの干渉を回避する為に、無線の出力を低減させる機能である。

C 正しい。OFDMA (Orthogonal Frequency Division Multiple Access = 直交周波数分割多元接続) は、OFDMを複数ユーザによってアクセスできるようにする方式である。

D OFDM (Orthogonal Frequency Division Multiplexing = 直交周波数分割多重方式) は、高速無線通信で使われている多重化方式で、データ信号を複数のサブキャリアに分割し、それぞれのサブキャリアの振幅が最大になる時、それ以外のサブキャリアの振幅が0になるようにして、互いに干渉しないように配置する方式である。サブキャリアの変調方式はQAMが多いが、決められているわけではない。
なお、FDM (Frequency Division Multiplex = 周波数分割多重化) は、搬送波の周波数帯域を複数に分割して、複数の信号を伝送する方式である。

V−34 目次