ソフトウェア要求仕様に対する推奨プラクティスIEEE Std 830-1998 に基づくソフトウェアの要求仕様の特性の1つである完全性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
@ 開発するソフトウェアが満たすべきでない内容が要求仕様に含まれていないことである。
A 機能、制約、入出力などの要求がすべて記述されていて、要求仕様内の図表のラベルや相互参照の不備がないことである。
B ソフトウェア製品がその要求を満たしていることをチェックできる、有限で費用効果性のあるプロセスが存在することである。
C 要求仕様内で、一方を実現するともう一方が実現できない要求が存在しないことである。
D 要求仕様内に述べられているすべての要求において解釈が何通りにもなるものがなく、一意であることである。
A
IEEE Std 830-1998 に挙げられている仕様の品質基準として以下のものがある。
正当性:内容に自己矛盾がなく、もれなくすべてが記述されていること。また、満たすべきでない内容が要求仕様に含まれていないこと。
非曖昧性:曖味なところがなく、内容が一意に定まること。
完全性:以下の3つを全て含むこと。
・全ての必要な要求が含まれている。
・全ての入力データと状態に対する応答の定義が含まれている。
・用語と図表の説明が含まれている。
一貫性:仕様書に含まれる要求間で矛盾がないこと。
ランク付け:要求が重要性や安定性に関して順位付けされていること。
検証容易性 (検証可能性) :全ての要求に対して、有限コストで検証可能であること。
修正容易性:容易かつ完全かつ一貫性を保って要求仕様書を修正できること。
追跡性:要求の根拠が明確で、開発工程全体で参照できること。
@ 正当性に関する記述である。
A 正しい。
B 検証容易性に関する記述である。
C 一貫性に関する記述である。
D 非曖昧性に関する記述である。
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