無線ネットワークのデータリンク層が行う衝突制御に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
@ 隠れ端末問題とは、無線ノードが大木やビルなどの陰に隠れてしまい、通信ができないことである。
A さらし端末問題とは、送信ができるにも関わらず、他の通信を妨害しないように送信を保留することである。
B 衝突回避の保留時間が長いと送信できない時間が生じるので、ベストエフォートで信号を出力する。
C 無線ノードは信号を送出する前に、他無線ノードが信号を出しているかをチェックするバックオフを行う。
D 有線ネットワークのイーサネットが使っているpure ALOHAの衛星通信方式は、無線ネットワークでも最適な方法である。
A
@ 隠れ端末問題は、例えば端末AとBが互いに電波が届かない範囲にあって、AとBが同時にデータを送信した場合、受信するノードCでデータが衝突する問題である。
A 正しい。さらし端末問題は、端末AとBが電波の届く範囲にあって、端末Aが端末Cにデータを送り、端末Bが端末Dにデータを送る場合 (端末Cと端末Dは互いに電波が届かない。つまり『C−【A−B』−D】の位置関係) に、AとBが互いに妨害しないように送信を保留する問題である。
B ベストエフォートは、通信品質、特に通信速度に関して、その品質を保証しないサービスのことである。「最大限の努力はします。」といったところのサービスである。
C バックオフは、次の送信までの待ち時間のことである。チェックすることがバックオフのように解釈できるので誤り。
D pure ALOHAは、イーサーネットのヒントになったと思われるが、イーサーネットは CSMA/CD を採用している。
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