本文へスキップ

技術士試験(情報工学部門)・情報技術者試験。ファーストマクロ。


Since 2016.4.19

平成22年度 技術士第一次試験問題【専門科目】

W−35

情報システムの高度化、ネットワークの発達により、形のない「情報そのもの」が大量に管理されるようになった。それに伴い、開発者・運用者には高度な責任が求められ、利用者には新たな保護制度が必要となった。関連する法制度について、最も不適切な記述を次の中から選べ。

@ インターネットで電子掲示板を管理している。利用者からの書き込みの中で、誹謗中傷と受け取れる内容を発見した。この発信者へ削除してよいかを問い合わせたが、すでに10日間回答がないので削除した。削除により生じる管理者の損害賠償責任は、いわゆる「プロバイダ責任制限法」により免責される。

A ウェブサイトのID・パスワードによる認証が求められるページに対して、正当なID以外を用いて内容を閲覧する方法を見つけたので、試しにログインして直ちにログアウトした。これは、いわゆる「不正アクセス禁止法」における違法行為である。

B 機能要件に基づいてウェブサイトの画面設計したところ、既存のサイトとデザインが似ていることがわかった。既存のサイトのデザインは「著作権法」で保護されるため、設計を変更しなければならない。

C 音楽CDをMP3形式でPCに取り込み、個人的に利用する目的で自身が管理する、インターネット上に公開されたウェブサイトにアップロードした。このウェブサイトに現時点で本人以外のアクセスは認められないが、これは「著作権法」に違反したと見なされる。

D 業務上交換した名刺から作成したデータベースの個人データが5,000件を超えた。「個人情報保護法」 (個人情報の保護に関する法律) の個人情報取扱事業者に該当し、取り扱いに際して従業者や委託先などへの必要な監督を行う等の義務が生じる。


正解

B


解説

B 不適切である。
著作権法 第2条第1項に「著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」と記載されており、ウェブサイトの画面設計は「創作的に表現」したものではないため、デザインが似ていても配色が同じでも、保護対象外となる。
ただし、バナーやロゴ、イラストはなどは著作権保護の対象である。

W−34 目次