分散データベースの特性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、選択肢中の整合性はデータが整合していることを、可用性はデータベースマネジメントシステムがサービスを提供できることを、分断耐性はネットワークなどが切断された際にも少なくとも一部のコンピュータが妥当な応答を返せることを指す。
@ 強い時間整合性が要求される場面において、分散データベースが結果整合性を満たせれば十分である。
A 可用性と分断耐性を備えた分散データベースは、あるデータが更新されたとき、必ず更新された値を読み出せる。
B 分断耐性を備えた分散データベースは、ネットワーク的にシステムが分断されてもシステムとして機能を継続できる。
C 整合性と分断耐性を備えた分散データベースは、クライアントがアクセス可能なコンピュータのいずれもデータベースとして応答できる。
D 整合性、可用性、分断耐性の3特性を備えた分散データベースを提供できるという定理がCAP定理である。
B
@ 時間整合性が要求される場面は、トランザクションの発生順序が重要である。一方、結果整合性は、トランザクションの発生順序に制約性がない。したがって、強い時間整合性が要求される場面においては、結果整合性を満たせれば十分であるとは言えない。
A 必ず更新された値を読み出せるには、整合性を備えておく必要がある。
B 正しい。
C クライアントがアクセス可能なコンピュータのいずれもデータベースとして応答できるには、可用性を備えた分散データベースである必要がある。
D CAP定理は、分散コンピューターシステムにおいて、整合性 (Consistency)、可用性 (Availability)、分断耐性 (Partition tolerance) のうち、最大2つの特性しか同時に満たすことができないという定理である。
整合性は一貫性とも訳される。また、CAP定理はブリュワーの定理とも呼ばれる。
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