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技術士試験(情報工学部門)・情報技術者試験。ファーストマクロ。


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平成30年度 技術士第二次試験問題【必須科目】

T−7

ソフトウェア要求仕様書 (以下、要求仕様書という) の記述のガイドラインとしての IEEE Std 830-1998で示される品質特性がある。その中で、「変更容易性 (Modifiable)」 を確保する方法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。  

@ どうやって作るか (How) を明確にし、要求の変化への対応を容易にする。

A 機能の抜け漏れがないように、必要な要求をすべて要求仕様書に記述する。

B 制約条件全てを満たす状況が存在するか否かを確認する。

C 要求が互いに依存しないように、各要求を独立・分離して表現する。

D 要求仕様書で利用する用語は、用語集を作成することで、その使い方に一貫性を持たせる。


正解

C


解説

IEEE Std 830-1998 に挙げられている仕様の品質基準として以下のものがある。

正当性:内容に自己矛盾がなく、もれなくすべてが記述されていること。また、満たすべきでない内容が要求仕様に含まれていないこと。

非曖昧性:曖味なところがなく、内容が一意に定まること。

完全性:以下の3つを全て含むこと。
 ・全ての必要な要求が含まれている。
 ・全ての入力データと状態に対する応答の定義が含まれている。
 ・用語と図表の説明が含まれている。

一貫性:仕様書に含まれる要求間で矛盾がないこと。

ランク付け:要求が重要性や安定性に関して順位付けされていること。

検証容易性 (検証可能性):全ての要求に対して、有限コストで検証可能であること。

修正容易性 (変更容易性):容易かつ完全かつ一貫性を保って要求仕様書を修正
 できること。

追跡性:要求の根拠が明確で、開発工程全体で参照できること。

@ 追跡性を確保する方法に関する記述である。

A 完全性を確保する方法に関する記述である。

B 一貫性を確保する方法に関する記述である。

C 正しい。

D 非曖昧性を確保する方法に関する記述である。

T−6 目次 T−8